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市街化調整区域で中古住宅を購入するときの注意点

その他

公開日

2022.12.9

更新日

2026.2.21

 

昨今、価格の安い中古住宅を購入し、自分好みにリノベーション・リフォームをして住むスタイルが非常に人気を集めています。

なかでも、市街地から少し離れた「市街化調整区域」にある中古住宅は、敷地が広く、価格も比較的安価でお買い得感があるため、購入の候補に入れている方も多いのではないでしょうか。

しかし、市街化調整区域は「原則として建物を建ててはいけないエリア」であるため、一般的な中古住宅の購入とは異なる特殊なルールが存在します。知らずに買ってしまうと、後から思わぬトラブルや高額な出費に見舞われることもあります。

そこで今回は、市街化調整区域の不動産取引を数多く手掛けてきたプロの視点から、このエリアの魅力的な中古住宅を安心・安全に購入するための重要な注意点をわかりやすくまとめました。

 

 

 

1.その家、本当に住める?権利の問題で「実は住めない」可能性がある建物の落とし穴

 

 市街化調整区域は、都市計画法で「市街化を抑制する土地」とされているため、建物の建築を行う場合には、特別な許可が必要になります。

 まずは、検討している中古住宅が「どのような許可要件を満たして建てられたのか」をしっかり確認しましょう

 

 特に以下のポイントを踏まえて確認してください。

 

(1) あなた名義で住める?「一身専属性の許可」に注意 

 

 少し難しい言葉ですが「一身専属性(いっしんせんぞくせい)」の許可で建てられた建物には注意が必要です。これは、農家の分家住宅などでよく見られ「権利又は義務が許可を受けた者にのみ帰属し、他の者には移転しない性質」を指します。

 市街化調整区域の建物の中には、この一身専属性の条件がついた許可で建築され、第三者への使用(居住、売買を含む)が制限されているものがあります。

 

 そういった建物を購入してしまうと、都市計画法上の違反になり、監督官庁から使用差し止め等の処分を受けてしまうこともあります。また、住宅ローンの融資を受けることができない、第三者に売却もできないという不利益を受けます。

 

 市町村によっては、一身専属性の部分を解除して、購入後に合法的に建物を使用することができる特殊なケースもありますので、そういった物件にあたった場合には専門家(不動産業者等)への相談をして下さい。

 

(2)もとはお店だったかも?「専用住宅」の許可か確認を。

 

 店舗など(いわゆる1号店舗)として許可を取って建てられた建物が、改装されて一般住宅(専用住宅)として使われているケースがあります。

 さらに悪質なケースでは、無許可だと工事ができないため、あえて許可が取りやすい「店舗(1号店舗)」で許可を取得し、そのまま「専用住宅」を建築して販売を行う業者もかつては存在しました。もちろんこのように建てられた住宅は違反建築物になります。

 外観が完全に住宅であっても、許可された用途以外での使用は法律違反のため、市役所の「開発登録簿」等で、建築時に申請された建物の種類がしっかりと「専用住宅」になっているか必ず確認してください。

 

 

(3)最悪の場合は取り壊しも…「無許可建築」ではないか

 

もともと建築のハードルが高い区域であるため、なかには何の許可も得ずに建てられた「違法建築物」が存在することがあります。
「自分が建てたわけではないから」という言い訳は通用せず、購入した新しい所有者が責任を負う可能性もあります。建て替えの際に建物を解体しなければならないなど、更地を買うよりも余分な費用と手間がかかるリスクがあるため、絶対に避けなければなりません。

 

 

2.問題がある土地に建築されていないか

 

(1)住宅ローンが組めない!?土地に「消せない権利」が残っていない

 

 市街化調整区域の土地は農地も多く、農地を宅地に転用して建物が建築されることがあります。農地を宅地に転用する際に、特別な許可を取得する必要があるのですが、その許可を取得するために条件付所有権移転仮登記などの権利設定を行わなければならないときがあります。そういった許可は、家が建ったあとや土地の宅地への転用を行う際に抹消されるべきものなのですが、なぜか抹消されずに残ってしまっているケースがあります。

 

 そういう権利が残ってしまっている土地は、権利者の所在が不明であったりして抹消することができない、または抹消するのにたいへんな時間と手間を要することがあります。土地の担保評価にも影響し、住宅ローンが組めないこともありますのでご注意ください。

 

(2)トラブルの元?浄化槽からの「排水経路」に関して許可を得ているか

 

 市街化調整区域は、公共下水の整備がされていないことも多く、排水のために浄化槽を設置しなければならないことがあります。最近の浄化槽は性能もよく、臭気等もほとんどないので浄化槽の設置が悪いというわけではありません。

 問題は、浄化槽の排水経路と流末がどうなっているか、ということになります。

 排水経路が第三者の敷地を経由している場合、その者の許可を得ていなければ排水管の撤去を求められたり、費用を請求されることがあります。また、流末が田畑に水を引くための用悪水路につながっている場合、用悪水路を管理する土地改良区や自治会から使用料を求められることがあります。

 排水経路は地面の下にあるため、なかなか目視確認ができず、わかりづらいことも問題を大きくしてしまう一因になります。

 プロの不動産会社でも市街化調整区域での取引経験が少ないと見逃してしまうこともあるため、市街化調整区域の取引に強い不動産会社を選ぶ必要があります。

 

(3)敷地の前に水路がある「水路またぎ」の土地ではないか

 

 市街化調整区域は田畑が多く、そこに水を引くための水路も多いのですが、敷地と道路の間に水路がある水路またぎの土地にないか確認する必要があります。

 特に水路が暗渠(あんきょ、道路下に隠れている水路)ではなく、橋梁がかけられている場合には、水路占用許可の取得状況や橋梁の重量制限、かけ直しの要否についても確認する必要があります。

 また、建築にあたって必要な接道義務を充たしていないと判断された場合、接道義務をみたすための許可が適正に取得されているかどうかも調査が必要になります。

 一般の方にはなかなか難易度の高いものになりますので、ぜひともプロの不動産業者に調査を依頼して下さい。

 

 

3.再建築できないリスクも。「敷地面積の最低限度」

 

自治体は、火災の類焼リスクや街並みの閉塞感を招くような狭小地の開発を防ぐため、「これ以下の面積に細分化して家を建ててはいけない」という「敷地面積の最低限度」を定めることがあります。調整区域では、これが「300㎡(約90坪)以上」など厳しく設定されがちです。

制限ができる前に建てられた古い家で、現在の敷地がこの最低限度を下回っている場合でも、建てられた当時と区割りが変わっていなければ、基本的には建て替え(再建築)は可能なケースがほとんどです。

ただし、建て替える前に土地を分筆(分割)して面積を減らしてしまった場合などは、許可が下りず再建築できなくなることがあります。そういう建物を買ってしまうとリフォームして住み続けることしかできず、資産価値にも影響するため、役所の都市計画課での確認が必須です。

 

 

 

4.思わぬ高額出費に!「ライフライン」の引き込み距離

 

 調整区域では、前面道路に公設の水道本管が通っておらず、何十メートルも離れた場所から個人が自費で長い配管(私設管)を引いているケースがあります

 

 そのような場合、その引き込み管の部分の管理を個人で行わなければならず、特に中古住宅の場合、何年か後に、老朽化が原因で配管の交換が必要になってしまうことがあります。また、うっかり他人が私設管として設置した配管を、その者の承諾をとらずに使ってしまうと権利関係のトラブルに巻き込まれてしまうので注意しましょう。

 

  また、老朽化した菅の交換にあたっては、道路の掘削と復旧も伴うため、想定外の出費となることもあります。

 

 

まとめ:市街化調整区域の中古住宅購入は、実績豊富なプロに相談を!

 

 

市街化調整区域における中古住宅購入の注意点を解説しました。

事前にこれらをしっかりと調査・クリアにできれば、市街化調整区域の物件は「広々とした敷地で、自然豊かな環境」を「お手頃な価格」で手に入れられる、非常に魅力的な選択肢になります。

 

購入を成功させる鍵は、複雑な都市計画法や権利関係、インフラ状況を漏れなく調査できる「市街化調整区域での不動産取引経験が豊富なプロの不動産会社」をパートナーに選ぶことです。

ポラスグループでは、調整区域における売買・建築の豊富な実績とノウハウがあります。難易度の高い物件調査からリフォームのご提案、調整区域に強い金融機関のご紹介まで、安心・安全なマイホーム購入をトータルでサポートいたします。
 


 

市街化調整区域の不動産購入や物件探しでお悩みの方は、ぜひ一度ポラスグループへご相談ください。

 

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【市街化調整区域に関する過去の記事】

2018/7/27 市街化調整区域での建替え・新築をお考えの皆様へ  リンク

2018/10/5 市街化調整区域での新築をお考えの皆様へ②  リンク

2019/10/18 市街化調整区域での新築をお考えの皆様へ③  リンク

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